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2014. . 29

ホスピス(大部屋)6日目 父との約束

3月29日(土)

I埼さん に「何か心配事でも・・・・・?」と聞かれた父。
先ほどまでの口調とはまるで別人?かの如くで I埼さん に話始めた。
「心配事なんて沢山あるんだよ・・・」と。
そして少し言葉を考えているかのようで言葉を飲み込もうとする父に
「父ちゃん・・・なに?・・・母ちゃんの事とか?」
と聞いたのだが、その言葉を言った私にではなく、父は I埼さん さんの顔を見ながら言い続けた。

「違うよ、お母さんの事じゃないよ・・・・・
お母さんはいい。お母さんは大丈夫だ。
お前らが居てくれるから、お前らが見てくれるから、お母さんの事はこれっぽっちも心配じゃないよ。
お父さんが心配なのはお兄ちゃんの事なんだよ・・・・・」

「ほら、お兄ちゃんは・・・俺のせいで・・・
お父さんのせいで、ずっと結婚もしないで面倒を見ててくれただろう・・・
だから・・・お兄ちゃんはお父さんが居なくなったら1人になっちまう。
お兄ちゃんを残して逝くのは心配だ・・・1人のお兄ちゃんを残しては逝けないよ・・・」

そう言い続ける父に、兄は
「お父さん、大丈夫だよ・・・・・」
と言ったのだが、父の耳には届かなかったらしく、まるで I埼さん に縋り付くように訴え続ける父。
I埼さん は父の言葉に相槌をうつように、ずっと頷いてくれていた。

涙をこぼしながら兄の事を気にかける父。
不安で不安で仕方がない。といった様子の父を、少しでも安心させてあげたかった私。
父の顔に向き直り、手をしっかりと握って言った。

「父ちゃん・・・兄ちゃんの事も母ちゃんの事も心配すんな!
母ちゃんは確かに皆がいるから大丈夫だけど・・・・・
兄ちゃんが例えこの先結婚しなくて、もしずっと1人だとしても・・・
大丈夫!みぃー。が兄ちゃんの最期まで面倒をみる!
兄ちゃんだけじゃない。母ちゃんも、姉ちゃんも・・・そして父ちゃんが1番心配な兄ちゃん。
みぃー。が皆の最期をちゃんと看取るまで、責任もって面倒見るから!約束するから!
だから・・・
だから父ちゃん、安心して大丈夫だから!安心しろ!」

そう言って父に
「父ちゃん、まだ他に何かあるかぃ?」
と聞くと
「んじゃ、もぉーない!もぉーないよ・・・それじゃ、みぃー。頼んだぞ!」
そう言って安心したように目を閉じた。

そんな、少し落ち着いた様子の父を見届けた I埼さん は、一旦病室を出ていった。
だが暫しのち、また父は
「おい!お金はやったのかよ?」
とか
「だから、アソコにアレがあるだろ!ソレをこーしろよ!」
などと、父にしか見えていないものを兄や私に指図したりしていた。

以前の時とは兄も違う。
以前の兄は、父が訳の分からない事を言ったり遣ったりすると
「お父さん、何言ってるの?しっかりしろよ!」
などと言い、困惑していた。
しかしこの時は父に合わせ
「え?何?コレをこーすればいいの?・・・だめ?違う?
道具がないと出来ないから・・・明日道具を持って来て直すから、明日でもいいか?」
と父の言う事に、たどたどしいながらも話を合わせるように接していた。


ずっと寝ていた父は、すっかり目が覚めてしまったかのようで、8時になっても眠りたくないと言った。
「今日は眠剤はいいよ!」
と、1度は I埼さん に断ったのだが・・・

私たちが
「父ちゃん、ごめんね。そろそろ帰らなくちゃ・・・」
そう言うと
「じゃあ、眠剤をして貰ってくれ・・・」
と言い、眠る事にした。

そしてこの日も面会終了時間を過ぎ、昨日よりも遅い9時過ぎ位に兄と私は病室を出た。
昨日よりももっと・・・
帰りたくない!一分・一秒でも父と一緒に居たい!
そんな辛い気持ちで病院を後にした。

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