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2014. . 23

ホスピス(個室)5日目 最期の言葉

4月23日(水)

焦る気持ちはあるものの・・・
姉が迎えに来てくれるのを待ち、夕方前には再度病院へ着いた。
母や兄に「何か変わったことはないか?」などを聞き、少しの間は家族で付き添っていたが、その後、母と兄は自宅へと帰って行った。

この日も何事もなく、夜の9時頃までは穏やかに(?)時間が過ぎ去っていた。
そして・・・
ふと気付けば、父が目を覚まし言った。
「おう・・・水をくれよ」

その言葉を聞き、昨日のようにベットを起こし 吸い飲み ではなく、コップに水を入れて父に飲ませた私。
余程喉が渇いているのか、コップにちゃんと口をつけられていないにも関わらず、ゴクッ ゴクッ っと水を飲み干す。
だが、ちゃんと口をつけられていない為に、コップ1/4程の水をこぼしてしまっていた。
慌てて私は拭こうとしたのだが、そんな事はお構いなしの様子だった父。
水を飲み、やっと一息ついたようでベットに寄りかかり言った。

「お前らの アレ を呼べ。」
そう言われても アレ とは何の事?と分からずにいた姉と私に、父は再度言う。
「だから、お前らの 旦那 を呼べよ。・・・今から来るように言ってくれ。」
そう言うのだが・・・

姉の 旦那 は居る!Kちゃんだ。・・・なのでそれは分かる。
でも、私の 旦那 って誰だ?・・・もしかして?いや、もしかしなくても 元・旦那のIちゃん の事なのか?
ほんの少しだけ考えていると、姉が
「え?Kちゃん達に来てもらえるように呼べばいいの?今直ぐ?」
そう言うと、父は
「そうだよ。早くしてくれよ。」
と言い、昨日の母を待つ時のように、ベットの柵に両手で力いっぱい摑まり、やっとの思いで座り続けている。
そんな父を横目に、姉と私はその場で各々電話をかけ始めた。

姉は姉で
「こんな時間に悪いんだけど、お父さんが今から来てくれって言ってるんだけど、平気?大丈夫かな?
・・・え?大丈夫?・・・そうしたら今から家を出てくれる?うん、K美をお祖母ちゃんに預かって貰ってから?
うん分かった。お願いします。・・・あっ、それと!来る時にIちゃんも一緒に乗せて来てくれる?
Iちゃんには、みぃー。から今電話して貰ってるから、話は通じてるから大丈夫。じゃぁ、気を付けて。」
そう言って、Iちゃんを一緒に乗せて来て貰えるよう言ってくれた。

私は私で、姉の話に合わせるように
「明日も仕事早いのに申し訳ないんだけど、父ちゃんが今から会いたいんだって。
来て貰っても大丈夫?・・・うん、ありがと。悪いね。
今姉ちゃんもKちゃんに電話してて、んでKちゃんが家にまわってくれるって言うから一緒にお願いします。
そんなに焦らなくても平気だけど、なるべく急いで来て!あっ、でも気を付けて。んじゃ!」

そう言って電話を切った後、父に
「今から直ぐに来てくれるって^^」
そう言うと
「そうか」
とだけ言って、腹を据えたように 思いっきり ベットの柵に摑まりながら踏ん張り続ける父。

まだ電話を切ってから、僅か10分程しか経っていないと思われた頃。
いい加減 もう限界! だと言わんばかりの父。
本当に しんどい! と言うのは勿論だが、ふと「あれ?俺は何で起きているんだろう?」とも思ったのかも知れない。
「起きててもしょうがない。横になるか・・・お父さんはもう寝るよ」
そう言った。

その言葉に
「父ちゃん、横になるのは全然いいけど・・・寝るのも全然構わないんだけどね
父ちゃんが呼んだから、今、KちゃんとIちゃんがコッチに向かっているはずだけど、寝ちゃったら2人はどぉ~したら良いんだぃ^^?
寝るのは2人が来てくれてからでも大丈夫かな?無理そうなら2人が来たら起こすけど^^?」
すると父は「あっ、そうか・・・2人を呼んだんだっけ」と思い出したようで
「ああ・・・そうか。そうだな。じゃぁ、頑張って起きてるよ。」
そう言って 本当にしんどそう ではあったが、何とかやっとの思いでベットに摑まり踏ん張り続けてくれていた。

まぁ、多分・・・Kちゃんの事だから
昨日の兄ちゃん達よりは 超早! で病院に来てくれるだろう。と思ってはいたけど。

そして案の定で物凄い早さで来てくれたKちゃんに向かって
「ねぇ?さっきの電話の時って、本当に自宅に居たの?実は病院の近くで待機してたとか^^?」
と聞いた程!あまりの到着の早さに
「(ココだけの話だけど^^;)おまわりさん に見つかってたら 免停 もしくは いっぱつ免取り 間違いない!
っつーくらい飛ばして来たでしょ?」
そう聞くと
「いやいや・・・道が物凄く空いてて、夜だったし真っ暗だったから・・・
うん。そうだ。きっと知らないうちに ワープ して来たんだな^^」
と、しょーもない事を言ってはいたが、「早く行ってあげたい!」との思いで来てくれた事が心底嬉しかった。

父は少し意識が朦朧としているのか、遠のいていたのか・・・
頑張って目を開けてはいるがよく見えていないのだろう。
2人が病室に入ってきても直ぐには気付かず、姉や私が
「父ちゃん、KちゃんとIちゃんが来てくれたよ!」
そう声を掛けても直ぐには分からなかったようで、Kちゃんが
「お義父さん、来たよ!会いたいなんて言われたから急いで来ちゃったよ^^」
そう声を掛けた事でやっと気付いた。

でも、2人がドコに居るのかよく分からない様子で、少しキョロキョロとしていたが
「お義父さん!ココだよ^^」
と声を掛けられ、声のする方を向いて2人が確認できたようだった。
そして2人の居る方を見て言った。


「おう・・・悪いな。・・・すいませんね・・・ありがとう・・・じゃぁ・・・寝るか」


その言葉に姉は、昨日の時の様に
「そうだね!じゃぁ、今日も皆でねようか^^」
すると、姉が言うやいなや崩れ落ちるように横へ倒れこみそうになった父。
私は急いでベットのリクライニングを戻し、横へ倒れそうな父を抱えて体制を整えた。
その後父は、目を閉じ、あっと言う間に眠りについた。


この時、この言葉を最期に、父が言葉を発する事は二度となかった。
言葉だけではない。
これ以降、父が意識を取り戻す事はなく、これが、この時が、起きている父を見た最期であった。

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